沖田絢悟+チカ「Spot 3-44-18」


沖田絢悟+チカ「Spot 3-44-18」

 

沖田絢悟+チカ「Spot 3-44-18」

 

会期   |  2015年11月21日(Sat) – 11月23日(Mon) / 11月27日(Fri) – 11月29日(Sun)
会場   |  pocke
open  |  13:00-20:00

 

本展示は、会場となるギャラリーの室内全体を構成に取り入れ、空間を1つの作品として作成しました。その場にもとより存在し、空間(環境)を構成している物に焦点を当てた作品となっています。物や建築の構造やイメージを探り出し、取り出した要素を空間に再構成しました。既存の空間を特殊な状態に作り替える本作品により、人間による環境(場所)への知覚についての考察を試みます。

 制作にあたって、生活空間である民家と芸術を鑑賞するギャラリーの2つの建築が混同したイメージを持つpockeを会場として選定しました。タイトルにあるspotとは、特定の場所という意味を持つ言葉であると共に、1点に焦点を集中させるスポットライトをその言葉のイメージに含んでいます。特定の場(物)に集中して、その対象を様々な角度で観察して構造を分析し、その認識の深まりとイメージの膨らむ状態を展示では表します。
作品では、会場にある窓、扉などのその場所に備わる設備や、室内の建築の構造を作品の構成要素として使用しています。それら私たちの日常風景を構成する物を、本来ある場所から移動させ、またはその物がある場所を他のモノ(=作品)へと置き換えることにより、場所や物の認識に変化を与えます。作品の造形は、部屋に備わる実際の窓、ドア、その枠や柱などの形状や寸法を取り入れて、その物の構造を単純化、誇張する形態となっています。会場内にそれらを既存の部屋の形態と呼応するように配置し、作成された作品と場所が半分同化するように構成しました。
作品となる室内は暗室としています。視界が不明瞭となる事で室内の光景に抽象性を与えると共に、設置された作品、既存の建築、さらに鑑賞者にある各々の境界を曖昧にするよう作用させています。視覚情報を制限し、自他の分別が曖昧になった空間で、作品(=場所)への鑑賞者の知覚、または鑑賞者が自身のその場における存在の認識を促進します。

人間が社会生活を送る中で、自身またはその身近な事から、広く世の中の状況や事象まで様々な事に目を向け、物事の複雑な構造を認識し、また独創的にイメージを膨らませる事は大切です。芸術には知覚能力を促進し、社会にその価値を保つ働きがあると考えています。高円寺南“3-44-18 ”という一点にspotを当て、周囲を取り巻く環境やあらゆる事象への人間の知覚の可能性と現在を模索します。

 文責 沖田絢悟